東大卒エンジニアが語る雑談録

日々感じたことを語っていきます。

BEASTARS 本能との葛藤を描く熱い青春ドラマ

BEASTARS 1-5巻感想(ネタばれ無し)

お話の概要は公式のリンク先をご覧ください。

www.akitashoten.co.jp

 

俺はレゴシくんにあまりに強く共感して身悶えしています。そして「美しくも醜い世界」を見事に描くこの作品に震えています。

5巻までのテーマは大きく2つです。

主人公はハイイロオオカミのレゴシ。17歳で全寮制の高校に通っています。大型肉食獣にも関わらず内気な性格をしています。そんな彼はとあるきっかけで出会った1匹のウサギ「ハル」に対する自分の感情が何なのか悩んでいます。

それは「恋」なのか、はたまた本能的な「狩猟願望」なのか?

そして、物語の開始と同時に「食殺」(この世界では最もご法度とされる肉食獣が草食獣を食す目的で殺すこと)により、レゴシの所属する演劇部員テムが命を落とす事件が発生。この学園で何が起こっているのか、そして世のリーダー「ビースター」を目指すアカシカ「ルイ」を中心とする草食獣とレゴシのような肉食獣との隔たり、絶対的な「食うか食われるか」の世界とは何か?そんな重苦しいテーマも描かれています。

 

人間誰もが自分の欲求を抑えて生きていると思います。(特に学校を卒業後社会人になってからはそうでしょう。)そうしなければ秩序が保たれないですよね。この世界の住人(獣人?)もそうなのです。

そして自分の生きる意味を悩んでいる。レゴシはなぜ狼の自分が捕食対象のウサギに恋のようなあるいは狩ってしまいたいという本能を感じているのか、時には他人に当たり散らしてしまい、時には大人の「汚い世界」を見てしまい、苦悩しながらも進んでいきます。

俺は今社会人として世間に何をしていくべきか、大切な人に何をしてあげられるのか非常に悩んでいて、その気持ちがレゴシとシンクロして衝撃を受けました。

一方、漫画としては時にはコミカルで、他にも魅力的なキャラクター(幼馴染のジャック、部員のビル、レゴシを慕う後輩ジュノ、腕っぷしの強い医者パンダのゴウヒン等)がおり、そして何より「一枚絵」がとても上手いので、読んでいて楽しいです。ただし、刺激的なシーン(暴力・性描写)があるので、動物の主人公ですが小さい子供には勧められないです。(目安はレゴシと同じ高校生以上ですかね)

まだ物語の核心「誰がテムを殺したのか」は明らかになっておらず、これから楽しみです。

複雑な感情が絡まっていますが一言では、

「俺もレゴシのように一生懸命生きて恋したい!」以上!